成形の基本

玉造り・ひも造り・タタラ造り

玉造りの湯のみ、ひも造りの花器、タタラ造りの角皿を並べた写真

同じ茶碗でも、つくり方によって、形の自由さや手ざわりが変わります。手でつくる「手びねり」の 3 つの基本を中心に紹介します。

このページの内容

  1. 01これは何か
  2. 02なぜ必要なのか
  3. 03どんな点に気をつけるのか
01

これは何か

ひとことで言うと成形(せいけい)は、練った土で器の形をつくる工程です。手でつくる「手びねり」には、玉造り・ひも造り・タタラ造りの 3 つの基本があります。

成形には、大きく分けて、手と簡単な道具だけで形をつくる手びねりと、回転する台の上で形をつくるろくろ成形があります。手びねりは、ろくろより時間はかかりますが、形の自由度が高く、手の跡がそのまま器の表情になるのが魅力です。

玉造り(たまづくり)

丸めた土の玉の中心に親指を差しこみ、内側と外側からつまむようにして、少しずつ広げて形にしていく方法です。「つまみ出し」とも呼ばれます。

湯のみ、小鉢、ぐい呑みなど、手のひらにおさまる丸い器に向いています。指の跡がやわらかく残り、手になじむ形になります。いちばん手軽で、土の感触をつかむ練習にもぴったりです。

丸めた粘土に両手の親指を入れて、小さな茶碗の形に広げているところ
玉造り。親指で土を内側から押し広げていきます。

ひも造り(ひもづくり)

土を手のひらで転がしてひも状にのばし、底の上に積み上げて壁をつくる方法です。ひもを 1 段ずつ輪にして重ねる「輪積み(わづみ)」と、らせん状に巻き上げる「巻き上げ」があります。

土の量を足しながら高く大きくできるので、背の高い花器や大きな鉢、どんぶりなどに向いています。積んだひもの継ぎ目は、指やへらでしっかりなでて、上下の土をなじませます。

丸い底の上に粘土のひもを積み上げ、継ぎ目を指でなでているところ
ひも造り。継ぎ目をなでて、上下のひもを一体にします。

タタラ造り(たたらづくり)

土を均一な厚さの板(タタラ)にしてから、切ったり、曲げたり、型に当てたりして形をつくる方法です。同じ厚さの細長い板(タタラ板)を左右に置いてのし棒でのばしたり、重ねたタタラ板に沿って切り糸で土を薄く切り分けたりして、板をつくります。

四角い皿や角鉢、箱もの、型を使った皿など、平らな面や角のある形に向いています。厚さがそろうので、仕上がりがすっきりとして、割れにくいのも特長です。

タタラ板を左右に置き、のし棒で粘土を板状にのばしているところ
タタラ造り。左右のタタラ板が、厚さをそろえるガイドになります。

3 つの方法のくらべ

方法向いている形よいところむずかしいところ
玉造り湯のみ・小鉢・ぐい呑み手軽。手になじむやわらかい形大きなものはつくりにくい。底が厚くなりやすい
ひも造り花器・大鉢・どんぶり大きく、高くできる。形を途中で変えられる継ぎ目が甘いとそこから割れる。時間がかかる
タタラ造り角皿・角鉢・箱・型ものの皿厚さがそろう。平らな面や角がきれい曲げると角や縁にひびが入りやすい。つなぎ目の処理が大切

ろくろ成形

電動ろくろなど、回転する台の上で、回る力を利用して形をつくる方法です。最初に土を何度も上げ下げして中心に合わせ(土殺し・芯出し)、そこから穴をあけ、壁を挽き上げていきます。

左右対称の形を、薄く、速くつくれるのが特長ですが、思いどおりに挽けるようになるには練習が必要です。

電動ろくろの上で、粘土の筒を両手で内と外からはさんで挽き上げているところ
ろくろ成形。回る力を利用して、土を内と外からはさみ、少しずつ挽き上げていきます。
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なぜ必要なのか

ひとことで言うとつくりたい形に合った方法を選ぶと、無理なくきれいに形がつくれ、割れにくい器になります。基本の造り方を知ることは、できる形の幅を広げることでもあります。

方法ごとに「得意な形」がある

丸くて小さい器は玉造り、大きくて背の高い器はひも造り、平らで角のある器はタタラ造り。それぞれの方法には得意な形があります。苦手な方法で無理につくろうとすると、厚さがばらばらになったり、途中でへたったりして、割れや歪みにつながります。

組み合わせると、もっと自由に

実際の器づくりでは、いくつかの方法を組み合わせることがよくあります。たとえば、底はタタラで平らにつくり、胴はひもで積み上げ、口元は指でつまんで仕上げる、といった具合です。基本を知っていると、「この形はどうつくればいいか」を自分で考えられるようになります。

土を「締める」ことで丈夫になる

成形は、ただ形をつくるだけの工程ではありません。指でなでたり、へらや手のひらで軽くたたいたりして土を締めると、粒どうしが密になり、乾燥や焼成で割れにくくなります。とくに器の底は、しっかり押さえて締めておくことが、底割れを防ぐ大きなポイントです。

03

どんな点に気をつけるのか

ひとことで言うと「厚さを均一に」「継ぎ目はしっかりなじませる」「中に空気を閉じこめない」。この 3 点が、割れない器への近道です。

厚さを均一にする

手びねりの器は、5〜7mm くらいの厚さを目安に、全体をそろえるように意識します。とくに底は厚く残りやすいので、内側から指で確かめましょう。厚い所が残っても、半乾きのときに削って整えることができます。

継ぎ目・付け目はしっかりと

ひもとひも、本体と取っ手など、土どうしをつなぐ所は、焼いたあとに割れやすい弱点です。つなぐ面に針やくしで細かい筋をつけ、どべ(土を水で溶いたもの)を塗ってから押しつけ、まわりをなでてなじませます。表面だけをくっつけるのではなく、土と土が一体になるようにします。

水を使いすぎない・乾かしすぎない

手びねりでは、土が手の熱で少しずつ乾いていきます。表面がひび割れてきたら、濡らしたスポンジで軽く湿らせます。ただし、水をつけすぎると土がやわらかくなってへたり、底に水がたまったまま乾かすと割れの原因になります。ろくろでも、器の底にたまった水はスポンジで吸い取ります。

高く積むときは、少し待つ

ひも造りで一気に高く積むと、下の段が重みでつぶれてしまいます。ある程度積んだら、下の部分が少しかたくなるまで待ってから、次を積みましょう。待つあいだ、上の縁が乾きすぎないよう濡れた布やビニールをかけておきます。

中が空洞のものには穴をあける

置きものや人形など、中が空洞になった形は、焼くときに中の空気がふくらんで破裂することがあります。底など目立たない所に、針や竹串で小さな空気穴をあけておきましょう。厚すぎる置きものは、中をくりぬいて厚さをそろえます。

縮みを見込んで大きめに

焼き上がるまでに、器はひとまわり小さくなります。とくにふたものや、決まったものを入れる器は、縮む分を見込んで、少し大きめにつくっておきます。

教室では

体験教室では、つくりたいものに合わせて、講師が方法を提案しながらお手伝いします。「こんな形にしたい」というイメージを、ぜひ持ってきてください。

写真はイメージです。