土練り
なぜ土を練るのか

形をつくる前の、地味に見えるひと手間。でも、土練りがうまくいくかどうかで、そのあとの工程の楽さも、焼き上がりの成功率も大きく変わります。
このページの内容
これは何か
ひとことで言うと土練りは、成形の前に粘土をよく練って、かたさ(水分)を均一にし、土の中の空気を抜く作業です。
2 段階で練る
土練りは、ふつう「荒練り」と「菊練り」の 2 段階で行います。
- 荒練り(あらねり)
- 土のかたまりを台に押しつけてのばし、二つに折りたたむ。これを繰り返して、土全体のかたさをそろえます。かたい土とやわらかい土を混ぜ合わせて、ちょうどよいかたさにするのもこの段階です。
- 菊練り(きくねり)
- 荒練りのあとに行う仕上げの練りです。土を少しずつ回しながら、手のひらの付け根で斜め前に押し出すことを繰り返します。押した跡が菊の花びらのように重なっていくことから、この名前が付きました。土の中の空気を外へ押し出しながら、最後は砲弾のような形にまとめます。
菊練りは、陶芸の技術の中でもとくに身につけるのに時間がかかるものの一つです。最初から菊の花びらのようにきれいにできなくても大丈夫。大切なのは、空気を抜いて、かたさをそろえるという目的を果たすことです。
ほかの練り方
菊練りのほかに、土を両手で前に転がすように押して戻す「ラムズヘッド(羊の頭)練り」と呼ばれる練り方もあります。動きが単純なので、はじめてのかたにも覚えやすい練り方です。また、陶芸の現場では、土練機(どれんき)という機械で、空気を抜きながら土を練ることもあります。

なぜ必要なのか
ひとことで言うと空気やかたさのムラが残ったままだと、形がつくりにくいだけでなく、乾燥や焼成のときに割れたり、窯の中で破裂したりする原因になります。
空気が残っていると
土の中に空気のかたまりが残っていると、ろくろで挽いたときにその部分だけ薄くなったり、表面がぷくっとふくらんだりします。さらに、焼いたときに空気のかたまりやそのまわりの水分が熱でふくらみ、器が割れたり、窯の中で破裂したりすることがあります。破裂した破片は、まわりに並べたほかの人の作品まで傷つけてしまいます。
かたさのムラがあると
同じ土の中にやわらかい所とかたい所があると、乾くときの縮み方がそろいません。縮み方のちがう部分どうしが引っ張り合い、乾燥中や焼成中にひびや歪みが出る原因になります。また、ろくろでは、かたさのムラがあると土が中心に定まらず、形がぶれてしまいます。
土がのびやかになる
よく練った土は、全体がむらなくまとまり、なめらかでコシのある状態になります。指で押したときの反応が素直になり、のばしても切れにくく、思ったとおりの形をつくりやすくなります。練り上がった土をしばらく寝かせて水分をなじませると、さらに扱いやすくなるとも言われます。
どんな点に気をつけるのか
ひとことで言うと力でねじ伏せるより、体重をのせてリズムよく。空気を巻きこまないこと、練りすぎて土を乾かさないことが大切です。
腕ではなく、体重で練る
練り台は、腰より少し低いくらいがちょうどよい高さです。足を前後に開いて立ち、腕の力だけでなく、体を前に倒すように体重をのせて押します。手首だけで押すと、すぐに疲れて手首を痛める原因になります。
空気を巻きこまない
練っている途中で土を大きく折りたたんだり、表面にできたしわを内側に巻きこんだりすると、かえって空気が入ってしまいます。菊練りの最後は、ひだを内側に閉じこめないよう、なでるようにして表面をなめらかにまとめます。
練りすぎない
長く練りすぎると、手の熱や空気で土の表面が乾いていきます。乾いてかたくなってきたら、霧吹きで少し湿らせるか、やわらかい土を足して調整します。一度に練る量は、はじめは 1〜2kg くらいから始めると、無理なく練れます。
練れたかどうかは、切って確かめる
練り終わったら、切り糸で土を半分に切ってみましょう。断面に小さな穴やすじ、かたさのちがうまだら模様がなければ、よく練れています。穴が見えたら、もう一度練り直します。
体験教室では、講師が練っておいた土を使うので、練りの心配はいりません。教室に通いながら、少しずつ身につけていけば大丈夫です。
写真はイメージです。